コラム〔山本編〕
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vol.25 「捜せばまだあるぞ!」 
作  山本 洋左右

私達の税金は、こんな所でも無駄に使われています。

細かい事ですがとても大事な問題です。 全国の自治体には、「土地収用委員」や「選挙管理委員」 「労働委員」など行政委員と呼ばれる 非常勤特別職があります。 これらの職は、自治体から委嘱された地元の識者や著名人、 専門家などで構成されています。 委員はそれぞれの委員会に申し立てのあった 「不服」や「監査請求」などについて 会議を開いて裁決を行うというものです。

これらの職は、地方自治法に定められた特別職ですが、 その実態は、多くて月に1〜2回か年に1〜2回の会議で その会議も半日程度のものがほとんどです。 にも拘らず、これらの委員には、 20万円前後の月額報酬が支払われているのです。 この月額報酬が妥当かどうかを争う裁判が先日 滋賀県でありました。 大津地裁は、「常勤を前提にした報酬ではない」として 「違法判決」を下しました。 月1回、あるかないかの会議に出ただけで 20万円のも金を支払うこと自体、 私達の常識では全く考えられないことです。 行政組織というものはある種の伏魔殿のような所で、 私達の税金が名目ひとつで、如何様にも使われてしまいます。

こうした伏魔殿の中を巧みに歩きまわった人を紹介します。 何年も前に亡くなられた女性ですが、 彼女は新聞記者時代に政府与党の実力者に気に入られ、 大臣に抜擢され、その後は各省の審議委員や 傘下の組織の要職を渡り歩き、 最後は大使まで勤めました。 彼女は後半の人生をほとんど全て、税金で過ごしましたが 彼女が私達に残したものは、何一つありませんでした