コラム〔山本編〕
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vol.26 「身近に出来た2本の道路」
作  山本 洋左右

身(税金)を削れるのは、議員や特別職の報酬だけでは ありません。
代表的なものは、無駄な道路でしょう。
私の地元の世田谷区は、調布市、狛江市、など 他の自治体と隣接しています。
その境の、とある場所では数年前、 4〜50メートルの間に同じ道路が2本出来ました。
1本は市道、もう1本は都道だそうです。 聞けば、2本の道路とも計画は
30年近く前に 立案されていたそうです。
目的は共に、国道の渋滞緩和だそうです。 同じ国道から同じ一般道へつなげる
300メートル弱の道路を市と都がそれぞれに作り 住宅街と畑が点在したのどかな駅周辺の環境を 寸断してしまいました。
30年経った地域の現状を考慮することなく 道路を作った結果はどうなったのか?
2本の道路をつながった先の一般道は、 30年以上も前のままの狭い道路です。 そのため、朝晩の渋滞は一層ひどくなりました。
一方、地域は住民の高齢化が進み、 それまで信号ひとつ渡らずに駅前の商店街に 買い物に行けましたが、今は衰えた足で 道路を2本、渡らねばならなくなったのです。
いったいこの2本の道路は、 誰に何の恩恵をもららしたのでしょうか? こういう無駄な道路が、役所によって全国津々浦々で 何千本も作られてきたのでしょう。
こういう所に使われた税金を私は“死税”と呼んでいます
。 しかも、一度作った道路や橋、トンネルには、維持、管理 修復といった費用が発生します。 つまり、死税の上に更なる死税が使われる事になる訳です。
道路やトンネルは恩恵を齎さなくとも、 死税はある人々に恩恵を与えています。
多くの場合、それは地主であり、道路建設を請け負う 業者です。
そして、その建設業者の社長の多くが地元議会の議員 だったりします。 談合や利益誘導があったとは言ってません、 しかし、議員の職業を見るとそういう人が とても多いことは事実です。 最後に誰でも分かる例をあげましょう。
四国に3本の橋をかけて、 四国は豊かになったでしょうか? 青函トンネルを掘って北海道は、 豊かになったでしょうか?